ふたたび『岩崎航エッセイ集 日付の大きいカレンダー』について

通して2回。いま、ぱらぱらと気になる箇所を数回読んでいる。

静かな勇気をもらえる1冊だ。

生まれた環境、出会った人々、先天的な(あるいは生まれて数年間)の境遇などで、誰の人生も規定されている。複数の人生を同時に生きることはできない。今の自分の人生を生き抜くしかない。

 

○この本を読んで想起する本、思い起こす本

 R・カーソン『センス・オブ・ワンダー

 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』

 村上龍『すべての男は消耗品である。 vol.4』

 

自宅の本棚に置く本を300冊としてみる。それ以外の本は実家に置かせてもらう。

このエッセイ集が1冊目。

 

『岩崎航エッセイ集 日付の大きいカレンダー』読了

『岩崎航エッセイ集 日付の大きいカレンダー』読了

読売新聞の若松英輔の書評を読んで気になっていた1冊。

NHKでの放送を機に読みました。

心の声を言葉に定着させる、その点において、非常に感銘をうける。

背伸びをしない、自身の言葉を紡ぎ出し、それを読み手にすーっと差し出している。

これは若松英輔の(この本に限らない色々な)書評を読んでいても感じることなのだが。

 

作品は素晴らしいが、TVの方は今一つだった。ナレーションがちょっと暗すぎる。

逆に言えば、作品のほうがTVの数十倍素晴らしいので、放送を見て少しでも興味を持った人は絶対に本を読むべきです。

 

備忘

もう二十年も昔に、自分は道路端に坐りこんで周囲構わず物に読みふけっているような者だ、と覚悟したことがあった。

                         古井由吉「クレーンクレーン」

 

車谷長吉の文章であってもおかしくないような、そんな一文だ。と思った。

ねつでやすんでいるキミへ

ちょっと前の読売新聞日曜書評欄にて大野更紗さんが紹介していた絵本。

amazonから届いたので早速読んだ。続けて3回読んだ。Hちゃんにも薦めて読んでもらった。

言葉のないイラストだけのページが絶妙のタイミングですっと差し挟まれている。はっとさせられる瞬間だった。2歳のわが子を自然と重ね合わせてしまう。

子どもへの愛おしい気持ちをしみじみと再認識させられる1冊。